他のバンドではあまり感じないのに、ゼペットにだけは強く感じることがある。それは「その時々の気持ちとアルバムがリンクしている」ということ。
たとえば、

SLICK (CCCD)

SLICK (CCCD)

このアルバムに収録されているどの曲を聴いても東京を思い出す。一人暮らしのアパートから最寄り駅までの道とか、新宿駅の西口から都庁方面に向かう道とか、総武線各駅停車の車内とか、そんな風景を思い出す。そして、その頃のもやもやした気持ちも思い出してちょっと苦しくなる。だけど、その時のもやもやした気持ちの中から今に繋がる道を見つけたわけで、それはそれで悪くないとも思う。


新卒で入った会社を半年ちょっとで辞めたのは、まぁ色々あるんですけど、第一には仕事が性に合わなかった。本当に毎日がストレスの連続で、今思えば結構病んでました。唯一の救いは気のいい同僚たちに巡り合えたことでしょうかね。あれがなかったら、と考えるのも恐ろしいです。
どうにかしてこの状況を抜け出さなきゃいかん、と日々悶々としていた頃にこのアルバムが発売されて、方向はどうあれ背中を押された気がしたのです。今の会社を辞めるにしろ、もうちょっと踏ん張るにしろ、何かしらの行動を起こさねばならぬ、と。それで結局会社を辞めて地元に帰ったわけですけど、後悔はしてないです。同僚と呑んでいた時に「地元に戻るのは勝手だけど、中途半端でまた東京に帰ってきたら、それは許さないよ」みたいなことを言われたのだけれど、その言葉に応えられる日々を今、送っていると言えます。堂々と。


他にも

CLUTCH

CLUTCH

とか、
GOOSEFLESH

GOOSEFLESH

あたりは千葉の風景を思い出すんですが、それはまたの機会に(またの機会があるとは限らないけど)