2009/2/14 VALENTINE ROCK−今年も愛のROCKを歌おう@恵比寿リキッドルーム

昨日寝る前に書いた「幸せだ」という感想が全てだったりもするんですが、やった曲なども含めて改めて感想を。

長澤知之
まずはセットリスト。多分合ってる。


マカロニグラタン
いつものところで待ってるわ
幻覚
ラヴソング
ベテルギウス
24時のランドリー


長澤くんは何だかやけにお洒落して登場。服装(白×黒ボーダーの薄手のニットに黒ハット。似合ってました)も表情も、そして何より纏っている空気が軽やかだった。
でも、そんな見た目の軽やかさとは裏腹にどんどんと凄味を増していく声と歌。掠れたり裏返ったりすることも殆どなくって凄く調子が良さそうだった。気持ち良さそうに歌って、声を操っていたのがとても印象に残ってる。

「マカロニグラタン」の終盤、延々と「マカーロニ、マカーロニ」と繰り返すところでこの曲を知らない人たちがちょっと戸惑ってたような気がした。後ろの方がザワザワしているような。まぁ、確かに変な歌だよなぁ。そんなにマカロニ連呼しなくても!って思いますわね(笑)
「幻覚」から「ラヴソング」の流れは本当に凄かった。「幻覚」の終りがどこかわからないまま、気づくと「ラヴソング」に入っている。そして全てが終わるまでゾクゾクしっぱなし。呼吸をするのも忘れてしまいそうなほど圧倒的な2曲。
ベテルギウス」はとにかく透明な曲だと思う。真っ暗だけど透明な冬の夜空。長澤くんの声自体にそういう印象があるからこの曲は特に響く。
最後は「24時のランドリー」。声の表情を細かく変えながら、物語を読むように歌う長澤くんから目が離せなかった。

それぞれの曲の終わりに、もの凄くやわらかな手つきでそっと弦の響きを止めるところをガン見してしまった私はもしかすると、というかやっぱり手フェチなんですかね?(笑)…まぁいいか、そんなことは。とにかく圧倒されてしまった。長澤くんがステージを降りた後、バラバラと後ろに下がっていく人たちを避けながらしばらく呆然と立ち尽くしてしまった。うわぁ何か凄いものを見たぞ、聴いたぞ…と、初めてライブを見た時から思い続けていることをまた今回も思いながら。


短い転換時間を挟んで次はDOES。正直言うと、もっとインターバルが欲しかったなぁ。間に1組入るくらいの(苦笑)…だって、あんな凄いものを見せられたらしばらく余韻に浸っていたいじゃないか!(逆ギレ禁止)


<DOES>
こちらもセットリストから。順番が怪しい。


赤いサンデー
君は僕の好み
ハッピー・エンド
ランプシュガー
青空(THE BLUE HEARTS)
都会のスキル
サブタレニアン・ベイビー・ブルース
いかれたBaby(フィッシュマンズ)


機材転換中はステージと最前列のお客さんとの間に幕があったのですが、その幕が開くと既に3人がステージ上に。いつもよりラフな服装のワタルさん(ブログで髪を切ったと書いてたけど揃えた程度じゃないかな)にまずビックリ。ワワワワタルさんがパーカー着てるよ…ってパーカーぐらい着るだろうに。

1曲目は「赤いサンデー」。先日の2×4では「ただ君がいないくらいなら 誰もいない方が幸せなんだ」という歌詞にズバーンとやられてしまったのだけど、アコースティックな「赤いサンデー」はヒリヒリした焦燥感がいい感じに和らいでいて、ほんわかゆったりとした気分で気持ち良かったなぁ。
次の「君は僕の好み」は、やるんじゃないかなぁと思ってただけに嬉しかった1曲。アコースティックだったらこれやるでしょう!みたいな曲ですよね。
順番に自信がないけど、多分この後でワタルさんがケーサクをなぜかじーっと見てて(笑)ケーサクが「え、何?」みたいな顔したら「…ハッピー・エンドやろか」と言って曲に入ったような覚えが。普段のライブじゃ聴けないような曲が多いのに「うぉぉ、この曲かぁ!」と興奮しないのはアコースティックの魔力でしょうか。終始ゆーっくりとした温かい空気に満ちたライブだったなぁ。
ヤスがみかん(鹿野さんが600個用意したもののDOES終了時点で無くなってしまったとか。食べ損ねた!)をむしゃむしゃと食べ始めたり、それを見ながらワタルさんが「みかんを食べるベーシストのヤス バレンタインなんて関係ねぇ チョコレートよりビタミンC 欲しいものは女の子」(多分こんな感じだった)と歌ったり、客席にみかんを投げたりした後「音楽を始めるきっかけになった曲を」と言って演奏したのが「青空」。実はタイトルを聞いた時点ではピンとこなかったのだけど、曲を聴いたら「この曲知ってる!」と。ブルーハーツはそんな感じの曲が多い。流石に「リンダリンダ」はタイトルだけでわかるけど。
「ほとんどやってない曲を」と「都会のスキル」。そして意外だったのが「サブタレニアン・ベイビー・ブルース」!ケーサクが「俺のバチに合わせて手拍子してください」と何故か「バチ」と言ってしまってワタルさんに「古風やなぁ」と突っ込まれてたけど、アコースティックなサブタレ良かったよー。せっかく用意してきたハープを演奏し忘れる、というハプニングもあったけどあれでハープが入ったらもっと良かっただろうなぁ(ってわけでまたアコースティックライブやってくださいよ)
最後は「bonobosが好きそうやな。bonobosに捧げます」とフィッシュマンズのカバー。
8曲中カバーが2曲ということで、レアなものが聴けたと嬉しい一方でDOESの曲をもっと聴きたかったなぁ、とも思うわけで。アコースティック用にアレンジし直したりするのも大変なんだろうけどね。「明日は来るのか」のアコースティックバー(…個人的な趣味に過ぎないので以下略)
アコースティックライブ、またやって欲しいな。


2組見た時点でお腹いっぱいになってしまって、後はロビーとフロアの隅っこの方でひたすらダラダラ。立て続けに受けた衝撃をようやく消化してその幸せな余韻にひたる感じでダラダラと。傍から見たら「あの人大丈夫か」ってくらいボケーッとしてたと思う、多分。


みんなで幸せになろうぜ、イェーイみたいな(何だよ、それ)音楽はあまり好きじゃないんだけど、勝手に受け取って勝手に幸せな気分にひたるのは悪くない。そこに歌われているのが希望でなくて絶望だったとしても、喜びでなくて悲しみだったとしてもそれを受け止めてふっと心が軽くなるのは間違いなく「幸せな」瞬間であるはずで。自分だけが悲しいんじゃない、みんな悲しいんだ。悲しくたって生きていく、悲しいから生きていくんだ。そう思えるだけでも全然違う。悲しいのは自分だけだ、自分だけが惨めなんだ、と実のところはそんな言葉すら形にできなくなっているくらいの暗闇の中であがいているよりはずっといい。
ワイワイと盛り上がるフロアにいるのに妙に疲れて早めに退散。あー、やっぱりああいうみんなでピース!みたいな(だから何なんだよ、それは)空気は苦手だ。そういう輪に入れない自分を客観的に見てしまう自分がいるんだよなー。うわぁぁぁぁ(どうした、おい)


…えっと。楽しかったです、すごく。幸せな時間でした。余計なことを考えるからいけないんです。ちなみに2/14は煮干しの日、らしいですよ(ヤスが言ってた)