「薔薇とダイヤモンド」その2

対談相手は誰なのか、非常に気になるところではありますが、ひとまずそれはおいておいて「薔薇とダイヤモンド」の感想を。めちゃくちゃ長いです。
1.プロローグ
立ち読みした雑誌のどれかで、夢を一回諦めた人がもう一度夢に向かっていく歌、というようなことを中田君が言っていたのですが、納得。「確か眠らせたはずの胸の鼓動」っていう歌詞はそういうことだったのか、と。
でも、これって夢がどうこうというだけじゃなくて「ロック」という幻想に対しての気持ちとも取れるなぁ。「イエローモンキーが解散してから云々」ということをたまに中田君が言うけれど、イエローモンキーが解散して何かが終わったように思っていたのを椿屋がまた蘇らせつつあるんですよね。新曲リリースだ、PVが見られる、アルバム出るよ、といちいちドキドキしていたあの気持ちを今、椿屋に対して確かに感じます。まさにそれは「確か眠らせたはずの胸の鼓動」なのです。
2.手つかずの世界
「歌謡曲」ですね。それも昔ながらの昭和歌謡っていうんじゃなくて、…うーん、こういう言い方は嫌な人もいるだろうけど、椎名林檎的な歌謡曲だなぁと思いました。今の時代を生きている人のフィルターを通すと歌謡曲はこうなります、という感じ。
3.砂の薔薇
この曲、どうしましょうか!?イントロのドラムから別世界に連れて行かれます。深い深い青のイメージ。先日の「ゴゴイチ!」でレミオロメンの新曲PVが流れて、水中のシーンが頻繁に出てくるのですが、あのイメージでPV撮ってみてほしいなー。
歌詞も重くて綺麗な感じですね。「君」をどう解釈するかでいくらでも世界が広がりそうです。ちなみに私の勝手な解釈だと「君」は亡くなっているんですね。と言うのは、「燃え移るほど傍に来て 凍てつくこの身を溶かして」という歌詞を読んだところで頭の中に思い浮かんだのが火葬、だったもので…
ライブでどこまで再現できるか、楽しみなような怖いような曲です。
4.螺旋階段
九段会館で螺旋階段って絶対良さそうなのに、なぁ…と微妙に九段会館のことを根に持っててすみません。
5.紫陽花
「誰が心にも龍は眠る」の予告編のバックにこの曲が流れたのを聴いた時に泣いたんだっけ。椿屋四重奏はなんつうスケールの曲を作るんだ!と。でも、アルバムの他の曲を聴いてしまうと正直あのインパクトは薄れました。声が伸びやかだから弾き語りの方がいいよ、と言った元同僚(九段に同行しました)はきっと気に入ると思うけど。
6.熱病
イントロの胡散臭い感じが好きです。このジトッとしたイヤラシイ声があるから椿屋はいいんだなぁ、と改めて確認。
7.踊り子
ねぇ、これイエローモンキーだよね。何かの雑誌で「メタルだ」と書かれていて、なんじゃそりゃと恐る恐る聴いてみたら「VERMILION HANDS」じゃないですか!(でも、この曲に思い至るまで少なくとも5回は聴いた)あまりにもあんまりなんでその2曲を並べたプレイリスト作ってゲラゲラ笑いながら聴いてやりました。
ちなみに「VERMILION HANDS」はこのアルバムに入ってます。

未公開のエクスペリエンス・ムービー

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8.朱い鳥
狂気じみた切なさ、を感じました。これを16だか17で作ったなんて恐ろしい男ですね。
9.君無しじゃいられない
この曲がイエローモンキーっぽいのも確かだけど、「踊り子」が!!
ここに感じるイエローモンキーの影響ってことで言えば「バンドの持つテンション」かなぁ、と。この曲を聴いた時に初めに頭に浮かんだのはKISSのトリビュート盤地獄の賞賛 ?KISS トリビュート・イン・ジャパンでのヒーセのはしゃぎっぷり、でした。「KISS大好きでーす、イエーイ」みたいな(こう書くとバカっぽいな)まぁ、これはトリビュート盤ではないので同じテンションではないでしょうし、同じでも困るんですけど「こういうロックが好きなんです、実は…」と告白するのに照れちゃって、ついはしゃいじゃいました、みたいな印象を受けました。でもやっぱりこういうの好きだなぁ、私も。
10.陽炎
去年渋谷クアトロで初めて聴いた時に、何の疑いもなく安全地帯(もしくは玉置浩二)のカバー曲だ、と思い込んでいました。だってまさか23歳(去年だからね)の人がこんな曲作ると思わなくて…つくづく恐ろしい男だなぁ。
椿屋に(というか中田君に)若干興味を示し始めている母(50歳・イエモンファン)に聞かせてみたら「ASKAが歌っててもおかしくない…え、バイオリン入るの?さだまさし?」とな。母上、さだまさしは新しいですよ。しかもバイオリンはゲストですからね。

長い。すみませんね。来月の野音が楽しみで楽しみで仕方ないです。