向かい風バンド

「向かい風バンド」
中田くんが椿屋を指して言ったこの言葉は決して後ろ向きなものじゃなかった。風に向かって進もうとするから向かい風になるわけで、何かを諦めたわけでも妥協しているわけでもない。諦めて後ろを向いた瞬間に向かい風は負の方向への追い風になってしまうから、たとえ辛くても風に向かっていかなければいけない。そんな決意をひしひしと感じるような力強い発言でした。
向かい風、と言った後でチャゲアスの話をちらっと出していたのには笑ってしまったけど。確かにあれは向かい風吹きまくってるけど、本人たちは追い風の真っただ中にいたよなー(笑)


そしてもう一つ印象的だったMCがありまして。
「このままで終わらせない。リベンジだ」と。「リベンジって…リベンジする相手もいねぇ」と苦笑いしていたけど、相手いるじゃない。今まだ椿屋を知らないでいるたくさんの人たち。その人たちをいつか振り向かせて、なんでもっと早く出会わなかったんだろうと後悔させるのが最大のリベンジじゃないかと、ふと思いました。そのリベンジが果たされた時、きっとあの場所に立てるんだろう。もうこうなったら私もとことんまで付き合いますよ。このまま終わられたら困る!


バンドの結束が固くなっている、とも言っていたなぁ。今までだって十分固かったと思うのだけど、更にですか。だからたかしげと観覧車乗ったり、頭に口づけしたりするんですか。もう、あの瞬間は目がテンになりました。うぇぇぇぇぇ、今何やったぁぁぁぁぁぁ!って。心臓に悪いな。


これは結構初めの方に言っていたのですが、ZEPPは無謀だとか言われたけれどソールドアウトにしたいとかそういう安易な思いで決めたんじゃない。今の椿屋に似合う会場、ロケーションだと思ったからやった、と。これはものすごく納得です。行きのゆりかもめの中ではっと気付いたんですよね。ZEPPのキャパが必要だったんじゃなくて(実際に後方3分の1から4分の1程度は封鎖してありました)ZEPPの立地条件が必要だったんだ、と。ゆりかもめから見える風景だとか、お台場の雰囲気って東京ならではのものだと思うし、しかも生活感ゼロで作られた街のイメージ。だけど実はマンションとかあったりして、そこを住まいとしている人もいるわけで。そんな場所でこそ「TOKYO CITY RHAPSODY」を引っさげたツアーをやるべきだったんだろうな。キャパだけで言ったらAXでも良かった(それじゃちょっと足りないかも?)のかもしれないけど、渋谷じゃなくてお台場なんだよね。それは今日実際に足を運ぶまでわからないことでした。あの風景が最大の演出だったんだなぁ。


…と、今となっては「ライブ楽しかったなー」と手放しで言ってますけど、1曲目が始まった時は結構がくーんと来てました、実は。全然響いてこないの。楽しくないし。あの大きな空間の中に音が拡散していく感じで届いてこなかった。それでまずいまずいまずい…と心の中でずっと呟いてました。これは無理やりにでも楽しまないととんでもないことになってしまうかもしれない、と。2曲目はまだそんなわけで無理に楽しもうとしていた部分もあったのですが、それがどんどん払拭されていって勝手に体は動くし顔はにやけっぱない、というそれもある意味とんでもないことになってました。多分「I SHADOW」の「突然に暗転」で会場が暗転した瞬間に何かが吹っ飛んだんだと思います。あの演出やってるところに初めて出くわしたのでメチャクチャ嬉しくって。思わず手を上げてしまいました。
ファイナルの仙台に行けないのが悔しい、でも今日楽しみつくしたからいいんだ!と言える状態で終われたのが良かった。本当に良かった。


病み上がりの中田くん(リハでステージに立ってみるまで不安だったとか。ギリギリだったんだなー)はところどころやらかしてしまいまして、ツアータイトルは自分で言いかけてしまうし、「アシンメトリー」では歌いだしが間に合わず仕切り直しに。そこでブーイングが起きたら「うっせー、バカ!」と。だからあんたは小学生か。そして「今ブーイングした奴は絶対踊れよ」と言われたので、ああそりゃ踊ってやりましたよ。どうだ、文句あるか(あんたも小学生か)


この曲をZEPP TOKYOで歌いたかった、と言って演奏したのが「君なしじゃいられない」!やったー楽しいー!!と、この頃には私のテンションも完全に振り切れていたので何かとりあえず飛んだり跳ねたりしてたと思います。YANCYさんが満面の笑みを浮かべていたのが印象的でした。ツアー初日と比べるとぐぐっと椿屋に馴染んだなぁ、と実感しました。


そしてそして「アンブレラ」と「夜の行方」。2曲も新曲を披露してくれました。「アンブレラ」はまぁ予想というか期待していたんですが、「夜の行方」は驚きでした。何でもこのツアーを思い返して作った曲だそうで、YANCYさんと2人での演奏でじっくりと染み渡るような歌声を堪能できました。それで順番が前後してしまったけど「アンブレラ」。ちょこっと映画の話をしてから演奏に入ったのですが、早くこれが映画館で流れるところを聞きたい!あの話にはハマると思うなぁ。楽しみ。



もう本当にね、どうなるかと思ってたんです。ZEPPだなんて無謀すぎるし、中田くんは体調不良だし(今日も暗転してさらにりょうちんのドラムロール付きで吸入してたけどね)、直前になってあんな騒動は起きるしで。
だけどライブを見てしまえば、やっぱり私は椿屋四重奏が大好きだし、もうそれはちょっとやそっとのことじゃ揺らぎませんよ。ここまできたらもう、ね。とことんついていきますよ。ZEPPが満員になって、そしてあの場所に立つ時までずっと見てるよ。だってもう、椿屋なしじゃいられないから。


いい気分だったことだけ書いて終わりたかったけど、ひとつ言わせて。
過去のツアーグッズのたたき売り、あれはどうなんですか。「ワンコインコーナー」と銘打って今までのツアーグッズ(の売れ残り)が500円で販売されていたのですが、何かすごく馬鹿にされた気分でした。椿屋の今までの歴史とかファンの思い出を安売りされているような気がして。だってグッズってその時のライブに行ったという記念の品じゃない。それを後から買えたり、ましてや安く売るなんて。それを開演前に見かけたこともあって1曲目のテンションが異様に低かったんだよなぁ、きっと。あれはもう今後はやらないで欲しいです、ホントに。アンケートにも書いてやったよ、あんまりにも酷いから。


色々あるけどさ、やっぱり椿屋はいいなぁ。向かい風にめげないで少しずつでもいいから前に進んで行ってくださいよ。ブーブー言いながらもずっと見させていただきますんで。本当に今日は楽しかった、良かった!