「不時着」と「RED BEST」に思うこと

不時着

不時着

「不時着」、火曜日にフラゲしてきました。そして、新宿タワレコ7階のどこでアルバム視聴ができるのか、いまだにわかりません(苦笑)新譜のコーナーに「不時着」がどーんと置かれていて、視聴もできるようになっていたのでじゃあこの近辺に…と思って見てみてもない。新譜入荷日の火曜日夜ということで店内は大混雑、店員さん大忙し、てなわけで問い合わせるのも憚られ。まー、どうせ視聴しないしいいかー、と帰宅。…あ、もしかして「不時着」のところにあった視聴機が!!
…えー、どなたか新宿タワレコでの視聴場所をご存じでしたら教えてください。


と、まぁ買ってきたわけですよ。で、聴いたわけですよ。


「不時着」いいなー、おい!ここがどこであろうと僕は構わない、って何気ないようでいて凄い歌詞だよなーわはははは

と、一人盛り上がっていたところから一転。

ん?「パニック」…ナカノサンライズで聞いた時ってこんな感じだっけ?もうちょっとバキッとした格好いい曲だったような…

と悶々とし始め。

…「成れの果て」、これライブバージョンのはずだよなぁ。何でこんなに盛り上がらないんだろ。

と、どんよりした気分で一回り終了(4曲目は割愛しました)。もう一回り聞く気も起らず、とりあえずウォークマンに転送だけして就寝。


そして今朝。トーキョーは雪でした。寒いのが大嫌いな私にとっては駅までの5分足らずの道さえ辛い。エスカレーター(下り)に乗れば、隣を駆け降りる人が滑り落ちてきてタックルされるんじゃないかと思って怖い(これ、実際に2〜3段上でおっさんがすっ転んで危なかったことがあるんですよ)。私はエスカレーターを駆け降りない。と、田舎者はビクつきながら無事地下鉄車内に辿り着きました。一息ついてウォークマンをぽちっとな。


…そうしたら、昨日はピンと来なかった「パニック」がめちゃくちゃ格好いいじゃないですか!仕事中も頭の中をグルグル回ってましたよ!これはしょぼいスピーカーで聴くんじゃなくて、イヤホンとかライブで直接脳にぶつけて初めて良さがわかる曲なのかもしれないです。スピーカーが良ければスピーカーで聴いても良いと思いますが。
でも、「成れの果て」は…うーん。なーんか、ライブならでは!って感じがしないんですよね。良くも悪くも上手過ぎるんだと思う。単なるCDの再現になってしまっているように思いました。じゃあ、ってなことで「LOVER」収録の2曲のライブテイクを聴くと、やっぱりあれはライブなんですよね。「トワ」は音源とアレンジが違うから余計にそう感じるのだろうけど、「プロローグ」もちゃんとあの日あの場所でしか聴けなかった「プロローグ」になっていると思う。だから椿屋のライブ音源がどうこう、ってわけじゃなくて今回の「成れの果て」がなんだかなぁ、と。いや、上手いのはいいんですよ。初めてライブを見た時は本当に驚きましたから。うわー、CDと一緒だ!って。でも、その中にはライブ特有の熱さとかその時々の感情も入っていたはずなんですよね。それが今回のライブ音源からは感じられなかった。椿屋四重奏というバンドの、中田裕二というシンガーの技術の高さは十分に示されたと思うけど、でもなぁ。ちょっと物足りないような気がしてしまいました。



それに近いような感想を持ったのが「RED BEST」の選曲について。各アルバムの代表曲やライブの定番曲がほぼ押さえられていて、インディーズ時代の総括という位置づけのベストアルバムとしては十分じゃないかな、と。私が予想していたものとも大差なかったですし。まぁ、カップリング入れすぎだろとは思いましたけど。「共犯」か「サイレンス」外して「風の何処へ」入れようよ、とは思いましたけど。まぁ、でも多分こんな感じだろうなと予想がつく選曲でした。
ただね。ちょっとあまりにもそのまますぎないか、と。ちょっとお行儀が良さすぎやしませんか、と。あの「成れの果て」も同じことなんだ、綺麗にまとまりすぎてるんだ、と。
でも、これは既存のファンの思いですよね。先日NACK5の公開生を見に行った時に、ベストアルバムの話題も当然出ました。そこで中田くんはこのベストアルバムをメジャーになってから知ってくれた人に向けたものだと説明していました(言い回しは違いますが、こういう意味合いのことを)。
そういう目線で見てみれば、この選曲にも納得がいくわけです。椿屋ってどんなバンドー?と思ってベストアルバムを手にした人にいきなり「砂の薔薇」では濃すぎるんですよ。それはあれです、イエローモンキーを「BURN」で知った私がディスコグラフィーの中に見つけた「薔薇娼婦麗奈」というタイトルにちょっと身構えたような、そんなことがあってはいかんわけです。そのバンドが好きになれば「薔薇娼婦麗奈」だろうが「花子の奥まで太郎を入れたい」(これは歌詞か)だろうが、どうってことなくなっちゃうんですよ。ていうか寧ろ「薔薇娼婦麗奈」ってどんな曲?と気になってしまって「ジャガーハードペイン」に手を出し、坊主の吉井和哉に数年遅れで遭遇してしまうんですよ。更に遡ってみたら女装してたよこの人ー!!とか、このままどこまでも脱線していきそうなんで止めますけど、要はベストだもんそんなもんよね、ってことです。あくまで対象は新たに椿屋四重奏を知った人。そんな人たちに向けたガイドブック、もしくは蟻地獄の入口(ってこれもイエローモンキー的な表現ですが)になりさえすればいいんじゃない?その表面だけに触れて終わる人もいるだろうし、そこに何かひっかかりを感じたならばいずれ「風の何処へ」だって「砂の薔薇」だって聞くでしょうよ。既存のファンは未発表音源の2曲を楽しみにしてればいいんじゃないですかねー。


…とか、勢いに任せて書き連ねてみました。
爆音アトモス」、見られる環境のある方は是非。アルバム全曲解説、あります。ライブ映像、見られます。そして私はディスプレイ右下の時計を見て若干焦っています。ウェンズデーJ-POP!