湖沼学入門/山口瞳
- 作者: 山口瞳
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1981/04
- メディア: 文庫
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「描く」と「書く」は別物だけど全く違うわけでもない。巧く書かれた文章は時には絵よりも豊かに風景を描き出す。そこに各々の想像力が滑り込む余地があるからこそ、その風景はより自分の心に寄り添うものになる。
最後の章の最後の一行。こんなに寂しい終わり方ってあるだろうか。
12通りの風景を書いて描いていても、そこには氏の心にぴったりと寄り添う風景が無かっただなんて。あまりにも寂しい旅の終わりだ。