2010/08/07 ROCK IN JAPAN FES.2010@国営ひたち海浜公園

行ってきましたー!今年は元同期の友人(男女各1人)と。

最初は同期ちゃんとGRASS STAGEで氣志團を。「もうちょっと前行こう、もうちょっと!」と誘われるままにスタンディングエリア最前ブロックの一番後ろまで。ほぼ完璧に踊りまくる彼女を横目にホケーッとしながらゲラゲラ笑いながら見てました。いやー凄いわ。わけわかんないけど、とりあえず楽しめる。「One Night Carnival」とか「結婚闘魂行進曲」なら流石に知ってるもの!ていうか「結婚〜」は元同期の結婚披露宴の余興の為に散々聴いたから、イントロが鳴った瞬間に同期ちゃんと顔を見合わせて爆笑してしまった。ほ、本物の踊りを見たよ!(感激)


既にぐったりな同期ちゃんとわかれてWING TENTへ。思った以上に移動時間がかかってしまって、着いた時には既にステージ上に4人が揃っていたし、何よりギュウギュウで屋根のある場所に入れない!結局日差しがガンガン照りつける場所で見る羽目に。暑かった…
そして気付けば去年のロッキン以来のフラッドだったわけで、何だかいちいち感動してしまって目尻に汗だか涙だかわからない何かが溜まる始末。何せ「おはようございます!a flood of circleです!」だけでウルッと来てるんだもんなー。何だかんだでライブに行けなくて1年ぶりになっちゃったけど、実はこんなにもフラッドに飢えてたんだなぁと自分でもビックリ。しかも追い打ちをかけるように佐々木君が「一年前はバタバタしてて…生きてて良かったなと思います」なんて言うもんだから、危うく涙腺が崩壊するところでしたが何とか耐えました。
あとはそうだなぁ…「吉川晃司を蹴ってこっち来たんでしょ?勇気あるねー」と佐々木君が言った時には思わず笑ってしまった。いえ、同期ちゃんがその頃「モニカー!」って熱狂してるはずだったんで、つい。

「泥水のメロディー」も「ブラックバード」も聴けたし、曽根さんの生アワワ(何だよそれ)も人の隙間からだったけど見れたし、新曲はメチャクチャ格好いいし、「Human Licence」「Quiz Show」はやっぱりライブで映える曲だったし、何かもう…最高でした。最高だった、としか言いようがない。圧倒された。凄まじかった。いくら言葉を並べてもあの時のあの場所に満ちていた異様なまでの熱は伝えられない。
そして、「プシケ」でのメンバー紹介はこの先何度聞いてもきっと感動する。あんなに愛に満ちたメンバー紹介と感謝の言葉を他に私は知らない。佐々木君の「大事な」の一言に込められた思いがより一層強くなっていると思えたのは考え過ぎだろうか。

とにかく、素晴らしかった。呆然としながらWING TENTを後にしました。


この後、ハングリーフィールドで昼ご飯を調達してシートに戻ってモゴモゴしながら9mm…のはずだったのが、ちょうどお昼時だったせいもあってどの店も大行列。とてもこれでは間に合わない!と飲み物だけ買ってシートへ帰還。あとの2人が食料調達から帰ってこないうちにライブスタート。ああああ、このSE、この歓声!ごめん、我慢できない、行ってくる!と心の中で叫んでスタンディングエリアへ。とは言ってもスタンディングエリアのだいぶ後ろの方へ。いや、だってあれは前行ったら死んじゃうもの。次が椿屋なのにここで死ねない!
とは言え、違う意味で死にそうになったのは全部卓郎が悪いんです。白シャツとか着て出てくるから悪いんです。しかもその袖のめくり方が思いっきりリーマン風だからいけないんです。砂埃が立つたびに見えなくなるステージから目を移したモニターに映る卓郎がいちいち無駄に色っぽいからいけないんです。あーもう!(完全に言いがかり)

砂埃が凄かったせいで殆どステージが見えなくて、モニター見てるか踊りまくってるかだったんですが、やっぱり9mm楽しいなー!ライブハウス(ZEPPクラスでもちょっと怖いかも、既に)でのライブはちょっと怖気づいてしまうところがあるけれど、ああいう開放的な場所でゆったりと見ていられるなら本当に楽しい。バカみたいなテンションで、わけわかんなくなるくらい踊って騒いで、だけど卓郎の相変わらずなMCとか滝くんとのやり取りとかでクスッと笑って。初めて見たときが野外のイベントだったからかもしれないけど、野外で見る9mmが一番好きだなぁ。純粋に「楽しーい!」って終われるのは野外。

そんな(どんな?)無駄に色っぽい卓郎のMCは今回も冴えわたってました。多分3〜4回、もっとかな、やたらと「失礼」を連発してたんだけど、それが妙に似合ってしまう不思議。「昔々ある国に…失礼、水飲みます」とかね。結局このMCは「昔々ある国にエキセントリックな娘がいて、その娘は山本という名前で唄を歌っていて」みたいな話になって「どうにもとまらない」に繋がっていったわけですが、エキセントリックなのは君だろう!とゲラゲラ笑いながら突っ込みたくなってしまった。何なんだろうなぁ。

だけどその一方で「Beautiful Target」の時はまたグッと表情が変わって、そりゃまあ無駄に色っぽい(何回言う気だ)んですよ。無駄っていうか過剰?別にそういう要素が必要な曲じゃないのに、ふとした表情とかに色香がついてしまうってのは天性のものなんですかねぇ…意識してやってなさそうなところがまたいいんですけど。そして9mmにそういう要素があるからここまで好きになったんですけど。とりあえずモニターにあの手が大写しになった時に死ぬかと思いました。どんだけ手が好きなんだよ、という自分に対するツッコミと共にその場に崩れ落ちてもいい!と思ったとか思わないとか。いや、でもあの手はいかんですよ。あー恐ろしい恐ろしい(お前がな)


ひゃっほーい!とシートに戻ったらさすがに2人も戻って来てて「ご飯食べそこなったよーあははははー」といつもとは若干違うテンションで話しながら(普段は冷静沈着な人間です)しばし休憩。ご飯は若干空いているであろう森のキッチンで食べることにしてLAKE STAGEへ。とりあえず同期くんも椿屋を見る気になってくれたので3人で移動。初めてあの…バス?あれに乗りました。楽だー。森のキッチンまで辿りついてみたらこっちもそこそこ混雑。でもまぁ何とか間に合うでしょ、ととあるお店に並んだらそこが想像を絶する手際の悪さで列が全然進まない!どんどんなくなって行く時間に焦って、注文するメニューを脳内で次々変更。ご飯ものを頼むつもりだったのに結局はおつまみ的な物にして、それでも時間がなーい!ってことでやっぱ上の階段で見てるよ、という同期くんに食べかけを託して(すいません…)同期ちゃんと2人でステージ前へ!上から覗いた時にあまりに人が少なくてがっくり来た(だってさー、他の人の時もっと入ってたよ…)けれど、そのおかげであのタイミングで飛び込んであの場所(ほぼ中央10列目くらい?)まで行けたんだから良しと…はできないな、やっぱり。ちょっとあれは寂しかったな。ライブが始まってしまえば気にならないことだけど…うーん。

ステージ前に飛び込んで行った時に耳に入ってきたのが「いばらのみち」のイントロって!この曲から始まったら面白いなーなんて思ってたからいきなりニヤニヤが止まらない!
衣装はりょうちん以外は熱視線@名古屋・東京と一緒だったかな。りょうちんは暑さ対策なのか髪をしばってたんだけど、何か顔がほっそりして見えたなー。昔髪が短めだった頃より痩せたんだろうか。そして場所的に一番視界に入って来るのが手島さんだったのでそりゃもうこれでもかってくらい見てたんですけど、やっぱり手島さん巧いなぁ。ギターのことなんて全くわからないから、弾いてる時の動きとか表情とか本来の演奏技術とは関係ないところばかり見てるのは否定できないけど、なーんか余裕を感じるんですよね。単純に「弾く」ってことはもうできちゃってて「弾きこなす」「自分流のアレンジを加える」という段階に既に入ってしまっているような。金光編集長が「たかしげに雰囲気が似てる」と仰っていたけど、本当にそうだよなぁ。パッと見も少し似てると思うんだけど、一番はあのポーカーフェイスだな。中田くんとりょうちんが割に表情豊かな人だから(…ってポーカーフェイスなボーカリストって嫌だな)余計に二人が似た感じに見える。…ま、今回たかしげは表情はともかく顔色が「暑い!めちゃくちゃ暑い!」と強く強く訴えていましたが。もうね、ビックリするくらい真っ赤でした。あれは日焼けじゃないだろう…体内に熱がこもるタイプなのかしら。

ステージ下には時々サーッと涼しい風が吹いて来てそれなりに快適だったんだけど、ステージ上ってどうなんだろうな。中田くんと手島さんは髪の毛が風になびいてたけど(そんな時でも右耳にかけてる髪が落ちてこないのは何故なんだ!?ということが気になる程度には手島さんにやられてます)、りょうちんはふーっと気が遠くなった、なんて書いてたし。

ライブのだいたいの流れはクイックレポートに書かれている通りなのでそちらを見ていただくのがいいと思う(ここに来て突然の放棄!)ので、その他諸々を。
まぁ、その他諸々って言っても手島さんのことなんですけど。音霊で初めて見た時の「この大人しそうな人が立ってエレキを弾く…想像できなーい!」てな印象はもう完全に取り払われてしまった。ガンガン前に出てくるタイプではないけれど、中田くんと向かい合ってギターを弾く姿とか、スッと腰を落とす瞬間とか、やっぱり格好いいなぁとついつい見惚れてしまう。いつもだったらどんなに見づらくても何でも中田くんばっかり見てるのに、やたらと手島さんを見てたもんなぁ…あー、いかんいかん(…ってこともないか)

あとね、たしか「ミス・アンダースタンド」の時だったと思うんだけど、急に手島さんの音が途切れてしまったことがあって。さすがにあれっ?って感じで機材を振り返ったりはしてたけれど終始演奏は乱れないで何事もないように弾き続ける姿がまたいいんだなぁ…っていい加減キモいですよね。いや、でもちょっとどうしようってくらい好きになってきてしまいましたよ。

本当にいいセットリストだったし、機材トラブルとかはあったにせよいいライブだった。ライブの序盤で中田くんがしきりに階段の方を気にしていたのは「もっと下に来いよ!」ってことだったのか人の出入りが気になっただけだったのか。何にせよもの凄く強い目をしていた。強いものを心の内に持っている人の目だった。ラグーナでのイベントはもっとアウェイ感が強いかもしれないけど(他の出演者とは何だか毛色が違いませんか?)、今の椿屋だったらその状況をプラスに転じられるんじゃないかな、と思う。同期くんはまたしても中田裕二のMCにドン引きしてたけど(苦笑)…もういいよ、君はCDだけ聴いててください。もうライブには誘いません。すみませんでしたー。

「MC寒いよ!『暑いねー。そっちのが暑いでしょ…ヘッ!』とかさぁ」「でも群青と舌足らずやったんだよ!そんなことはどうでもいい!」「小春日和を超える曲がやっぱりないわー」「ほら、あれは?ミス・アンダースタンドとかさー」「うーん…」「いやー、でもさすがにツアーでやった曲以外はなかったねー」「まだ練習中なんだろねー」「…(同期くん、黙る)」と男女でかみ合わない会話をしつつみなと屋へ寄って各々飲んだり食べたり。私はここでやっとご飯。


一旦シートに戻って着替えたり休憩したりして今度はPARK STAGEへ移動。WING TENTやLAKE STAGEと比べたら近いー。ステージに向かって緩い傾斜になっている作りでした。ヤス側の結構前の方で行ってしばし待機。
少し日陰になっていて楽だったけど、「明日は来るのか」で結局暑くなって終わるっていうある意味いつも通りのパターン。いつもと違ったとしたら、ワタルさんのMCに対するお客さんの反応かなー。やっぱりああいう場だからDOESのライブは初めてって人も多いだろうし、ワタルさんがわかりやすすぎるほどわかりやすく戸惑ってた。戸惑いすぎて「…DOESです」って何回も言ってたよなぁ。こっちからしたら「いや、知ってます!知っててここ来てます!」って話なんだけど、そういう人ばっかりじゃないのがフェスという場であり。それをこの日一番感じたのはDOESのライブだったかもしれない。でもそれが悔しいなぁって感じにならなくて、何か面白かったのが自分でも不思議。

とにかくね、ケーサクさんがめっちゃくちゃに笑ってて。それが嬉しかったし楽しかった。もしかしたらDOESというバンドからいなくなってしまっていたかもしれない人がこうして満面の笑みでそこにいてくれることが本当に嬉しかった。良かったなぁ、本当に。


その後はブラブラと森のキッチンまで行ったりandymoriをちょっとだけ見たりしてGRASS STAGEに戻ってみたらマサムネさんが「そして僕は途方に暮れる」を唄っている!そのままシートに戻ってスピッツでのんびり。あとの2人はどこへ行ったやら…と思いながらハングリーフィールドに行ったものの特にお腹も空いていないので梅ソーダを持ってシートへ…って暗くて見えない!何とか戻ってユニコーンを聴きながら一人でダラダラ。途中で他の二人も戻ってきて引き続きダラダラ。「大迷惑」に盛り上がった以外は終始ダラダラ。でもそれが楽しい(笑)

最後の花火まできっちり見て片づけ。アラサー3人、疲労困憊でした。DJブースに立ち寄る気力もなくバスへまっしぐら。バスへ乗れば10分ほどで爆睡。目を覚ませば上野駅。「じゃあねー」と別れてから地下鉄の駅が遠い遠い!地下通路が23時までって!しかもその時23時ちょっと過ぎたくらいだったし!むきー!と怒る元気もないのでトボトボダラダラと地上を歩く。あのー、来年は皆様がどうあろうと新宿発着のバスで行かせていただきます。上野遠いです…(とここの存在を知らない2人へ連絡)


疲れた、ホントに。だけどそれ以上に楽しかった。来年もあそこで一日遊べるくらいに元気な30歳(31歳目前)でいたいです。

2010/07/16 熱視線8「KICK START MY HEART」@名古屋E.L.L.

FC先行で申し込んでいたチケットが手元に届き、そこに書かれた整理番号を目にした瞬間のことを私はきっと忘れない。そして、その幸運を目いっぱいに享受したこの夜のことも、きっと。


バスに揺られて名古屋へ。炎天下の中、栄のど真ん中に放り出されて行くあてもなく、ひとまず地下街へ避難。実は名古屋の地理に詳しくないので右往左往した挙句に結局は早々に会場最寄りの大須観音駅へ移動。ようやく昼食にありついて一息ついてまたウロウロ。若干雲行きが怪しくなる中伏見の方まで歩いて行ったり(それができる程度には地理がわかる)戻ってきたりでようやく程よい時間に。何せ今日の整理番号では会場に入ってからロッカーへ…なんて悠長なことは言っていられないので駅のロッカーに荷物を押し込んで会場前へ。ギリギリまでリハーサルをやっているのか、スタッフの方が出入りする度に音が漏れ聞こえてくる。チケットと500円玉を握りしめてその時を待つ。ただただ待つ。気持ち悪くなりながらも待つ。待つくらいしかやることがないから待つ。


で、入場。誰もいないフロアへ。


整理番号を知った時に心に決めた場所に一直線に歩み寄って場所を確保。今日はもうドリンクもいらない、物販も見ない、背が高いことも気にしない。目の前にある光景にひたすら見入って、緊張のあまり気持ち悪くなりながら今度は開演の時を待つ。
左右、後ろとどんどん人が入ってきて、でも私の視界を遮るものが何もないこの幸福感!女性多めなライブだと視界が開けていることも多々あるのですが、やっぱり人さまの頭越しに見るのとは違う。あああ、でも緊張感に耐えきれないよ…うぇぇぇぇぇ。


ざっくり端折って(というかこの間ただ黙りこくってステージを見てただけです)いざ開演。ステージ脇の薄暗がりの中にりょうちんのシルエットが見えた気がして手を叩いたら…あれ、誰も反応しない。もしかしてうっかり…ってやっぱりりょうちんでした。というわけで改めて拍手で迎える。続けてたかしげが出てきて、手島さんも登場。この後ガッツリ見入りますが、この時点ではそれどころではないのです。だってほらこの後に中田くんが出てくるじゃない…出てきたー!!薄紫のカットソーに黒いテロンとしたロングカーディガン。変な衣装でなくて良かった…と思う余裕すらなかった。だって、目の前に、中田くんが!!!!

別に最前列が初めてってわけではないんです。だけどあの位置は初めて。そしてきっとこれで最後。何もかもを目に焼き付けようと集中力を研ぎ澄ませたところに聴こえてきたイントロは「不時着」
もーう、まさかまさかの選曲でした。全っ然予想してなかった1曲目。「孤独」という言葉を唄う中田くんを、「ここがどこであろうと僕はかまわない」と唄う中田くんにただただ見惚れていた。イントロを聴いた時には意外に思ったけれど、今の椿屋を表すのにこれほど適した曲はないよね、と心の中で深ーく頷く。

すいません、何か色々思ったはずなのに記憶がぼやけていてMCのタイミングとか内容が思い出せません。いや、いつものことなんですけど、いつも以上に。なのでモバイルサイトで公開されているセットリストを横目に見ながら無理やり記憶を引きずりだしてきます。


えっと、この後が「手つかずの世界」「舌足らず」か…そうそう、ここでやっと中田くん以外のメンバーを見る余裕が出てきたな。りょうちんは中田くんがちょっと横に動けばズドーンと見えるし、手島さんも楽に視界に入る感じ。だけどたかしげは見えにくかったなぁ…珍しくネックレスなんてしてたのは見えたけど。
そう、手島さん。音霊で見た時の印象からするとアコースティックは似合うけど、バンドではどうだろう?と少し不安だった。そもそも立ってエレキを弾いてる姿すら想像できなかったから。だけど、その不安は見事に裏切られました。もちろんいい意味で。「あれ、これはあの時のあの人と同じ人?」ってくらいに印象が違った。ざっくり開いたVネックに涼しげな風合いのジャケットを着てる姿はやっぱり中田くんやたかしげと同級生には見えない(ずっと大人びて見える)けど、それでも音霊での印象よりはグッと若く見えた。しかも「手つかずの世界」とか「舌足らず」みたいなベッタベタの椿屋色の曲も違和感なくサラッと弾きこなしちゃうんだよね。あの、本当に今日が椿屋としての初ステージなんですよね、と問いただしたくなるほどの馴染みっぷりでした。
あとね、「舌足らず」やっぱり好きだなぁ。中田くんがクッと腰を落としてギターを弾く瞬間を目の前で見た日にゃあテンションも天井知らずに上がっていきますよ。あの瞬間は何回見てもどの位置から見ても一気に体温が上がる。意識を持っていかれる。


ギターを下して、ハンドマイクに持ち替えた中田くんの後ろからあのドラムが聴こえた時にもぐわっと視界が揺らいだ気がした。現実と非現実の狭間を行きつ戻りつするような感覚。数時間前に歩いた栄の地下街も、数時間後には帰りついているであろう実家も、今この瞬間にはむしろそちらが非現実。今この瞬間に目の前で起こっていることだけが形も手触りも熱もある現実なんだ。
「いばらのみちだって味方はつけないよ」「いばらのみちだって助けは呼ばないよ」…まるで中田くん自身を表したかのようなこの歌詞が聴くたびに突き刺さってくる。「音楽と人」のインタビューで「ロックって本来は孤独な表現であるべきじゃないかなって思う」と語っていた中田くんの言葉に涙目になりながら同意してしまったんですが、本っ当にそうだと思う。少なくとも私はそういうものだと思ってる。孤独な表現だから、孤独と向き合った末に出てくる表現だから、だからこそ孤独を埋めてくれる。だけどそれは繋がりを求めているわけじゃなくて、あくまで「自分の」孤独を埋めてくれるだけのもの。孤独と孤独が手を繋いでこれでもう私たち孤独じゃないね、って目を合わせて頷きあいたいんじゃない。孤独は孤独のままでそこにあり続けるけれど、孤独なのは誰が悪いのでもなくそこに確かにある現実に過ぎないのだというその事実がわかればそれでいい。受け止めた孤独を自分のためだけに解釈して飲み込んで、それでいい。味方はいらない。助けも呼ばない。孤独の中でやたらめったらにもがいて溺れそうになっていた「かわいそうなわたし」にさよなら出来る、そのきっかけさえ与えてくれればそれでいい。孤独の中に飲み込まれずに、孤独を飲み込んで歩いていけるようになれば、いい。それがただの思い込みだって構わない。だって人はどうせ孤独なのだから。自分の物語から完全に外れることはできないし、他人の物語に完全に同調することもできないのだから。それぞれの持つ円が完全に重ならない限り、人はどこかで孤独なんだ。
で、大いなる勘違いを承知で言ってしまえば「私のためだけの物語/音楽」それがロックだと思ってる。あの日見上げていたステージから聴こえたそれは、間違いなくロックだった。ロックという呼び名に違和感があるのならば、孤独を鳴らす音楽。それを私は私の物語の中で勝手に受け止めて自分のものにしていく。孤独と一緒に飲み込んでやるんだ。

…わわわ、思いっきり脱線してる。しかも何が言いたいんだかわからんぞ、これ。
とにかくね、初のドラマ主題歌ということを差し引いて考えても「いばらのみち」は椿屋四重奏の代表曲になると思う。こんなにも孤独で、でもしっかりと自分の足で立って誰にも寄りかかっていない歌、他の誰が唄えるの?(はい、ファンの贔屓目出ましたー)


この後「I SHADOW」「トーキョー・イミテーション」と耳がやっちんの音で記憶している曲が続いたけれど、不思議なほど寂しくは思わなかった。その時は。驚くほどにハマる手島さんのギターと気持ちよさそうに唄って曲の世界を演じる中田くんだけで完全に満足してしまっていた。本当に本当に申し訳ないんだけど、やっちんのことを考えてすらなかったかもしれない。そりゃあ「トーキョー・イミテーション」のあのイントロを聴けば脳裏に浮かぶのはやっちんの姿なんだけど、それをスッと塗り替えられてしまった。とてもさり気なく。憎らしいほどにさり気なく。
緊張している素振りも見せずに淡々と、でも確実に弾きこなしていく手島さんがとても不思議だった。初めて見るはずなのにずっと前から見ているような気がしていた。中田くんの横でギターを弾く姿を。


ライブ中はその違和感の無さが嬉しくて頼もしくて、ああ良いギタリストが見つかって良かったなぁと単純に思ってた。だけど、後から後から複雑な感情が湧いてきてしまった。何でこれが今まで出来なかったんだろう。何で今までこういう椿屋が見られなかったんだろう。中田くんがあんなに笑って気持ちよさそうに唄ってることって最近あったっけ、と思ってしまった。やっちんが悪いなんてこれっぽっちも思ってない。だけど、そういう結論に辿りついてしまいそうな沢山の「何で」「どうして」が止まらなかった。違うよ、違うんだ。やっちんがいた5年間にだって中田くんはいっぱい笑ってたし、いいライブだって何回も見てきた。だけど去年1年くらいずっとモヤモヤしていた何かが、CARNIVALツアーでかなり晴れたとは言え完全にはなくなっていなかったような何かが、綺麗さっぱり消えちゃったんだ。あっけなく消えてしまったんだよ。もしかしたら今がちょうどその時だったというだけの話かもしれない。だけど、ちょうどその時にステージに立っていたのは今までとは違う形の椿屋四重奏だったんだ。時のせいか、形のせいか、その狭間でグルグルしてしまった。AXでの熱視線を見てほとんど迷いはなくなったけど、まだちょっと迷ってる。早くここから抜け出したい。文句なく格好いいやっちんを早く見たい。


…脱線が止まらないな。


「孤独のカンパネラを鳴らせ」収録曲がまだまだ頭に入っていない(USTを1回見たきり)ので、「LOOK AROUND」を聴いて「あれ、これロンサムだっけ?」とか思っててすみません。タイトルこそ覚えてなかったけど、この曲の清々しい解放感は耳が覚えていた。視界が一気に広がって心地よい風が吹き込んでくるような爽快感。「プロローグ」で見ていた未来とは違う現在から見る、更にその先の未来。フェス会場で聴いたら気持ちいいだろうなぁ。
そんな開けた世界から突如引きこもってしまったような「moonlight」「陽炎」。えっ、そういう曲じゃないだろって?いや、決して否定的な意味で言ってるんじゃなくて、意識の方向が外か内かってことですよ。この落差がまた気持ちいい。ここぞとばかりに中田くんをガン見しておきました(でも目が合うのが怖くて鼻から上は見れない小心者です)
この日、実家に帰ってから「最前列がいかにステージと近いか」ということを母(吉井さんのライブによく行くので最前列の価値はわかる)に説明していて一番伝わったのが「靴音が聞こえる」でした。本当に聞こえた。もちろん曲間の静かな時限定だけど、後ろに水を取りに行って戻ってくる時のコツコツコツという靴の音(また中田くんが革靴履いてるから余計に響くんだよね)が聞こえるんですよ、ハッキリと。気付いた時にはかなり興奮しました。うわわわわわ近いー!って(笑)後ろの人と柵(E.L.L.の柵は上のポールだけなので足元は楽)との間に挟まれてウェーッってなっててもその音で復活してたもんね!(お前バカだろ、やっぱり)
だけどあれだなー、椿屋のファンは女の子が多いし大人しいからウェーッで済むけど、9mmであの位置にいたとしたら内臓の1つや2つ出ちゃうよね。


この後の「小春日和」は過去最高に幸せな「小春日和」だった。この時になってもやっちんがいない寂しさを微塵も感じてなかった私には最前列の魔法がかかっていたとしか思えません。そうでないとやっちんに申し訳が立たないよ…(グスグス)
だけどね、やっぱり中田くんのあの笑顔見ちゃったら仕方ないよな、とも思うのです。歌が途切れたところでさらっと「名古屋ー」と言いながら満面の笑みを浮かべていたんだよね。たかしげの方に行きかけてた時だったから真正面から見れたわけではないけど、斜め横顔で見ても満面の笑みだった。くしゃーっとした無防備な笑顔だった。ああ、じゃあ他の4人はどうなんだろうって思って見回したら全員ニコニコしてるんだよね。まぁりょうちんはいつも笑顔(もしくはどや顔)だけどね。たかしげもこの曲の時は微笑んでいるけどね。YANCYさんは…もうあの方はそういうお方ですから(扱いが違う)。そして手島さんもニコニコとまでは行かないけどうっすら笑顔だった。何この余裕は!ってまた憎らしくなっちゃうんだけど(笑)でも、やっぱり笑顔はいいよ。「娼婦と淑女」でも紅子がしきりに言ってたじゃない「笑っていれば何とかなる」って。そういうことなんですよ、ね。


中田スマイル(今作った)にメロメロにされたところに「一刹那」のイントロが聴こえてきたら、もう…「どうにでもしてください!」って感じですよね。初期椿屋のドロドロと和を象徴するような曲。あ、今思い返して気付いたけど、今までこうやって初期の曲をやると当時の中田くんを思い出してたんですよね。それこそ白シャツ短髪時代とか。だけど今回の熱視線ではそれが全くなかったなぁ。どんな曲をやってもぶれずに今の中田くんがそこにいた。それを更に思い知らされたのがこの後の「群青」から「ミス・アンダースタンド」の流れだな。インディーデビュー盤の1曲目と最新曲。それが何の摩擦もなくスルッと繋がってしまう。ずっと繋がっている核のようなものが確かにあるからこそ、でしょうね。明暗、緩急、そして時代(曲世界のね)も軽々と行き来できるところが椿屋の最大の魅力だし武器だ、と改めて思う。似たような曲って本当にないもんなぁ。椿屋と別のバンドもそうだし、いつかの椿屋と今の椿屋ってことでも。そしてそれをどちらも弾けてしまう手島さんってやっぱりもの凄いよな…


コツコツと靴音を響かせて、ちょこんと座りこんだ中田くんが可愛かった…です、本当に。ステージが少し高くなっていることもあって、立っていれば大きく見えていた(何か失礼な言い方ですね、すみません)けど、ああやって座るとやっぱり小柄。華奢。何をしているのかと思えば靴ひもを結びなおして…ってそれがまた1回で上手く出来ないとか何なんですか、あなた!可愛いーとか思っちゃうでしょ!ああああ、もうどうしてくれる!(まず落ち着け)
ようやく足元も整って「僕の後に続いて唄ってくださーい」とか何とか(何とか、って…)言ってお馴染みのコール&レスポンス(とは違うか?)。難易度上がり過ぎてて脱落しました。というか元々脱落してました。ええ、音痴です。だけど他に沢山唄の上手な方がいらっしゃったので中田くんから「うまいっ!」とお褒めの言葉をいただきましたよ…すぐ後ろにいた女性とかめちゃくちゃ上手かったもんなぁ…いいなぁ唄が上手かったり楽器が弾けるのって…はぁー(数秒落ち込んできます)

はい、復活ー。「ワン、ツー、熱病!」とえらく格好いい入り方で「熱病」あああ、いいなぁこういう曲。そしてまた中田くんが気持ちよさそうに伸びやかに唄うこと!多分きっと気持ち悪いくらいニコニコニタニタしてたと思います。ごめんなさい(主にりょうちんに謝りたい)
この次が「思惑と罠」だったのか…完全に記憶飛んでる…その次の「サイレンス」のせいにしちゃえ!
いっつも間奏でしゃがみこんだ瞬間に視界から消える中田裕二が目の前に!もうそれだけで十分です。ありがとうございました。しかもいつもみたいな野獣みたいな叫びじゃなくて「あああーーーーー」(文字じゃ伝わらない!)ってちょっと気だるい感じで呻いて気の抜けたヤンキー座りでしゃがんでうな垂れたりしたら…また可愛いなぁとか思っちゃうじゃない!可愛い曲じゃないの、これは!「幻惑」リリース直後のRUSH BALL(のプレイベント)でアイメイクを施した目でどこでもないどこかを睨みつけていたあの表情を見てから「サイレンス」がどうしようもなく好きになってしまったんだから、そんな可愛い(でもやさぐれてる)感じでしゃがまれても困るわけですよ!中田くんが下向いてるのをいいことに凝視してましたけど!(結局そうなんじゃん)
…「サイレンス」がまたさらに好きになってしまいました。でも、「ミス・アンダースタンド」がこのポジションに来そうな感じもするんですよね。今回初めてライブで聴いてみてそう思った。「返事もらえてよかったね」ですっげー憎たらしい顔して目をむくところとかね、結構、いやかなり好きです。演じる中田裕二を堪能できる曲として同じ匂いがする。


手島さんの紹介が入ったのはここですね。中学の同級生であること、学校一のワルと変人が集まったクラス(3年9組)の変人同士だったこと、それまではギターに自信のあった中田くんがこいつには叶わないと思った相手が手島さんだったこと、それぞれ別の道に進んで中田くんは東京で大人気バンド(だったっけ?)椿屋四重奏を結成、手島さんは楽器屋さんで働いたりフランスにギターの勉強に行ったりしてジャズギタリストとして活動していたこと、やっちんが(とは明言しなかったけど)抜けてギタリストを探すとなった時にずっと手島さんが頭にあったこと、そんなことを時々笑いを交えながら、だけど丁寧に説明してくれました。最初、エロマスターXとか言い出した時はどうしてくれようかと思ったけど(苦笑)
中田くんの口から語られてびっくりしたのが練習期間が2ヶ月だったってこと。たったそれだけの期間でここまで…と本当に本当にびっくりしました。京陵中学(こんな字だっけ?)すげぇな。一学年でプロのミュージシャンが少なくとも3人いるって!
形としては同級生バンドみたいになっちゃったけど(この辺りは中田くんもAXで話してましたね)、ずっと一緒にやってきた仲間ってわけでもなくて。たかしげは大学生の時に、手島さんは20代の終わりに中田くんに呼び寄せられて椿屋にやってきた。それって寧ろずっと一緒にやってくるよりも凄いことかもしれないよね。うーん…

そして、「そんなジャズをやっていた彼とジャジーなこの曲を」と前置きして始まった「恋わずらい」が素晴らしくないわけがない!これは手島さんの第一印象通りにバッチリとハマってました。あ、「共犯」もハマるだろうなー。次のツアーでは是非是非。


その後は「CRAZY ABOUT YOU」あんまり可愛い可愛い言ってもあれだけど「CRAZY ABOUT YOU」でちょっといじけるところ可愛いよね(結局言ってるし!)
そして「螺旋階段」の〆で事件は起こったわけですよ。いつも通り(なだけでも凄いんだけど、本当は)楽しく踊って揺れて、アウトロをちょっと長めに叩くりょうちんに更なる盛り上がりを感じて。さぁ、ここでキメ…りょうちん、こけた!!!!!
嘘みたい…とこみ上げる笑いを堪えることもなくゲラゲラと笑いながらみんなでりょうちんに大注目。あちゃーやっちゃったよーみたいな顔して「もう一回、もう一回」とねだりするりょうちんにまた爆笑。仕切りなおしてバッチリ決まりました(ってこれ仕込みだったんだねー。完っ全に騙されてました。りょうちん演技上手いよ!)


半ば呆然としながらアンコールを求めてみる。全くダレなかった本編。かなり満足してはいたけれど、まだあの曲もあるよね、その曲もあるよね、と思う一方で「君無しじゃいられない」はやらないかもな…と思ってもいた。編集長のライブレポのこともあったし、単純に無くても行けそうな気がした。他に同レベルの盛り上がりを生み出せる曲がいくつもあるから。後はそれをやってみるかどうかの問題だと思ってた。


カーディガンを脱いで出てきた中田くんのカットソーは見事に汗で変色していて、薄紫が濃い紫に。苦し紛れに「汗ジミデザインです…」とか言ってたけど、それにしても汗っかきだよなー。私も人のこと言えないけど。汗かきはああいう色着ちゃ駄目なんだよ。悲劇が起こるから(笑)
そんな悲劇的ないでたちであっても「紫陽花」は美しく響く。少し季節は過ぎてしまったけど、この曲を聴くといつでも6月のあの空気を思い出せる。あの年の6月(まぁ九段心中の時ですわね)を思い出せる。これからもずっとずっと唄っていってほしい曲だなぁ。

その後はガラッと空気が変わって「LOVE CREATURES」ああああ、楽しい!この曲楽しい!妖しいのに楽しい!それにしても…それ、スカート押さえてるポーズじゃないよ!(笑)


最後は「幻惑」ここに来てやっと(遂に?)やっちんのことを思った。4人になって初めてのシングルだった「幻惑」。それまでの椿屋とはかなり印象の違う曲で、それはやっちんが入ったことによる変化だと受け止めていた。だけど今、また違う4人で「幻惑」を鳴らしている。でも…でも堪らなく格好いいんだから困っちゃうよね。悲しい寂しいはずなのに、嬉しいんだ。椿屋四重奏がいてくれることが、格好いい音を鳴らしてくれていることが。困るよね。


ほっと安心したような表情を浮かべた手島さんと目を合わせて笑いながら頷いたりょうちんはさっきとは一変してバンドのお兄さんの顔をしていた。年上が一人だけになっちゃったけど、うっかりだけど、声高いけど(関係ない)、中田くんにいじられまくりだけど、だけどみんなに愛されるお兄さんな、そんなりょうちんでいて欲しいなぁ、これからもずっと。
それとね、最後の最後に見せたこの表情で手島さんも相当緊張してたんだなぁってことが伝わってきた。当たり前だよね、そりゃ緊張するよね。だけどたかしげ以上にポーカーフェイスだからわからなかったよ。ふっと緩めたその顔を見てやっとわかった。これから椿屋四重奏を宜しくお願いします。そんな気持ちでステージ前方に並んで出てきた5人を、手島さんを見ていた。


全てが終わって呆然とステージを見ていた。チケットを手にした日からの色んな想像や思いを軽々と飛び越えていったライブ。そこにいたのはいつもよりずっと近くに見える中田くんとりょうちんとたかしげとYANCYさんと。そして初めてなのに初めてな気がしない手島さんだった。何でこんなにも悲しくないのか、寂しくないのか。そんなことを不思議に思うことすらしないで、ただただ満たされた気持ちでいた。新生椿屋四重奏はいいなぁ、大好きだなぁって気持ちでいっぱいだった。


…だった、じゃないな。
新生椿屋四重奏はいい。大好きです。

2010/7/11 夏ノ陣@下北沢CLUB QUE

逗子から下北沢、ハシゴしてしまいました。

何だかんだで到着は開演予定時間を少しだけ過ぎた頃。それでもまだライブは始まっていなくてホッと一息。
自分的定位置に移動して落ち着いた頃にライブスタート。


twitterにセットリストを上げてくださった方がいらっしゃるので、それを見ながら思い出すままに。


一曲目は「midnight sky walker」でした。リリース前であろうがお構い無しに盛り上がる曲だなぁ。ヨダロックとヒデヲさんの掛け合いのところがやっぱり印象的。

続く「東京ロックス」でいつものようにマイクスタンドを逆さまに持ち上げて…自分の頭の上に落としましたよね、あのお兄さん。何事もなかったかのように振る舞ってましたけど、頭の上からマイクスタンドが降ってきてましたよね(くどい)

その次が「INVADER ACTION」だったようなんですが、これはまだ聞き馴染みもないですしねー。ツアーでどう変化していくかが楽しみです。


で、この後ですよ。ヨダロックが何やら(選挙の話か壁に掛けられていたイベント用の看板の話だったと思われます)グダグダ話しているところにリョウくんのギターが切り込んでいって「TAXI DRIVER」となったんですが、立て続けに「二十面相」「蝙蝠傘」「水槽のマリー」って何なんですか!もうお前バカ過ぎるからそのバカを治すために一回死んでこいとかそういうことですか!ああそうですか、わかりましたよ。でも死ぬと諸々困るんで死にません。バカで結構。

「水槽のマリー」は曲間のMCだか何だかわからないヨダロックワンマンショーはなし。無くても全然構わないし、充分名曲なんだけど、一瞬期待してしまうのです。


できたての新譜を見せながら「キャラメル(ヨダロック談)」を剥いて割とまともに告知…のはずが徳永さんのドラムロールとのタイミングがなかなか合わずに結局グダグダ(笑)
これ、もしアンドリューだったら上手く合わせれたのかなぁ…と思ってしまってすみません。キャラメル(CDの外装フィルムですね)を剥くヨダロックの指先をガン見してすみません。やっぱりバカは死んででも治すべきですか?(苦笑)


そんなこんなで「妄想ガール」「青いライオット」「海賊のジャック」「OUTSIDER」と2マンならではのボリュームといつも通りの勢いで終了ーと思いきや最後にもう一曲。新譜にも入らないまっさらな新曲でした。

勢いよりも雰囲気で聴かせる曲でした。「RAINBOW」がパッと聴きの印象では近いかもしれない。呆気に取られていたらまだ音の鳴っているうちにヨダロックがはけていって、その流れがまたメチャクチャ格好良かったんですよぅぅぅぅぅぅぅ!(拳を握りしめて力説)


…いつも以上に内容が薄いのは熱視線のせいです。悪しからず。

2010/7/11 響鳴2010@音霊SEA STUDIO

あんなにも海水浴場だとは思わずに、至って普通の格好で行ってしまいました。天候不順とは言え少なからずいた海水浴客から完全に浮いている挙動不審人物と化しながら会場到着。雨が降ってはいるけれども傘をさす雰囲気でもなく、屋根のあるロッカー付近に逃げ込んでのらりくらり。入場のルールもよくわからないのでまたのらりくらり。適当に入場した頃には場内はDJタイムの真っ只中。

…この空気苦手だー。
わっさわっさと盛り上がる周囲から取り残され、まだまだライブは始まりそうもないので早速退場。それでも外は外で居場所もなく、こんなんだったら下北沢に行ってれば良かったなんて思い始める始末。
いい加減DJタイムも終わるだろうと中に戻って更に約10分。やっとライブが始まるよー…って今、何ておっしゃいました?一番手が中田くん!?
最初に入場した時、ステージ上にセッティングされている楽器を見たらギターが2本あったので、一番手は中田くんじゃないと勝手に判断していました。だってコンポジって中田くんとYANCYさんの…とか何とか戸惑いのうちに考えていたら周りの人たちがぐぐっと前に詰めたのでもう少し前に行けそうな感じに。結局はYANCYさん正面からガッツリ、中田くん斜めからほぼ見えな好位置で見ることができました。


で、迎え入れたわけです。中田くんとYANCYさんと、もう一人を。


移動しながらだったから、とかいきなりでビックリしてたからとか言い訳はいくつかあるにせよ、たかしげが出てきたと思ってしまったわたしさよなら。
いや…背格好似てると思うんですよ。髪型も含めて。だけど顔が見えた時にはさすがに気づいてまた新たな驚き(というよりは戸惑い)が。


…誰?


あのー色々と噂というか何というかがあったのは知ってましたけど、深追いしないようにしてたし忘れるようにしてました。だってまだ発表されてないってことは(それが真実だとして)まだその時じゃないってことだと思うんですね。…えっと、少し脱線しましたが、結局はその人だったんですよね。だけど私はそれを忘れようとしてたし、実際忘れっぽいのできっとその人なんだろうと思いながらも名前も出てこないし、顔なんてわかるはずもない。誰だ誰だ誰だ…と頭の中がグルグルしているところに飛び込んできた中田くんの歌は「シンデレラ」…あれ?歌詞違う?何だこれ?と新たな戸惑いが加わった頃に聞き慣れた歌詞が。

その歌は「また君に恋してる」でした。
曲の合間に「おとだまー」とか言うならわかるけど「さかもとふゆみー」ってどうなのよ(笑)
だけど、歌はとにかく素晴らしかった。中田くんの声の張りも響きも何もかも。実はこの時はちょっと苦しそうな表情も見えていたのだけど、ライブが進むにつれてそれも全くなくなった。


ホントにね、良い顔してたんだ。見てるこっちがグッと来てしまうほどの。あんなに気持ち良さそうに唄うのを見るのはいつぶりだろう、なんてことを何の気なしに思った時にまた違う意味でグッとくる。今この場にいる中田くんが椿屋四重奏の中田くんで良かった。本当に良かった。


雨音が会場内にまで聞こえてくるような空模様だったのに「今日は音霊日和で…快晴ですね!」とおどけてみせていたのはこのタイミングだったかな。
その次に唄った「部屋とYシャツと私」も良かった。当時も何となく感じていた女性の怖さがこの歳になるとよりハッキリと感じられる。ちょうど結婚したばかりの友達もいるし(苦笑)
そんな歌を男性である中田くんが唄うってのも不思議な話なんだけど、驚くほど違和感がなかった。その違和感の無さっていうのが男女の立場を逆転させて唄っているように思えたからじゃなくて、中田くんが女性になりきって唄っているように思えたからなんだよね。「また君に恋してる」は前者だったんですけどね。こういう時、中田くんの華奢でちょっと中性的な外見は武器になるなぁ。


そうそう、この日の中田くんは髪型も衣装もパーフェクトでした。長めの前髪の奥からの視線はかなりの色気を含んでいたんではないかと予想されます(さすがにそれがわかるほどには近くなかったのであくまでも予想)
衣装は白いVネックの上にベージュかな?(照明で色はよくわからなかった)のクタッとしたシャツをはおってました。そうだよ、君はそういう何でもない、でもきちんとした服が一番似合うんだよ!
これを書いているのは熱視線@名古屋に向かう道中なのですが、お願いだからあの路線から外れないでおくれ…
あ、YANCYさんがお洒落でステキなのは言わずもがな。あの微笑みを距離こそあれ真正面から拝ませていただきました…合掌(仏像レベルの有り難さ)
テシマさんはね…青と白のチェックのシャツだったかな。ホントに大人しそうな印象の方で、立ってエレキを弾いてる姿すら想像できません。
そんな方なのにあんな紹介の仕方ですみません、とファンがひれ伏して謝罪しないといけない気にさせるくらいの発言を、してしまうんだなぁ(苦笑)

「今回手伝ってもらってるヘルパーの…ヘルパーじゃ介護だな(笑)」ってそこまではいい。微笑ましい光景ですよ。でもその後に発した一言に中田くんの年齢を疑いました。

「…うんこたれお」

…おいおいおい、兄さんあんた29歳でしょ。9歳じゃないでしゅよねー(笑)
でもテシマさんも「うんこたれおです」と多分苦笑いしながら応じてくださっていたし、幼なじみだってことで中田くんの暴言も笑って済ませられる雰囲気に。それにしても…すいませんでした!(90度に腰を曲げてお辞儀)


あれ…このやり取りってこのタイミングだっけ…


順番がグダグダになってきましたが「いばらのみち」のアコースティックバージョンはメチャクチャハマってました。どれが中田くんの音でどれがテシマさんの音かなんてわからなかったけど、ああいう雰囲気・音に馴染む方だなぁというのが第一印象でした。

「いばらのみち」の後で昼ドラバンドだとか言ってたかな。大して話題にならなかったね、とか何とか。
つい最近ようやくエキサイトのインタビューを読んだんですが、あのタイアップってコンペで勝ち取ったものだったんですね。嬉しかっただろうなぁ…とちょびっと脱線。


「これもある意味夏っぽい曲です。歌詞を聞けばわかります」と唄い始めたのは「悲しみが止まらない」でした。ホントに女性ボーカルの曲が似合うなぁ。もう二番煎じでもなんでもいいから女性ボーカルのカバーアルバム出せばいいよ!その時は「ここでキスして。」を唄ってください、お願いします。何なら「歌舞伎町の女王」を。とにかく椎名林檎の初期の歌を!是非!
あ、今、頭の中で「僕たちの失敗」(森田童子)を歌わせてみたら陰鬱すぎて素晴らしい。俯いてぼそぼそ唄うの。一人でギター抱えて!あー可哀想、悲壮感が半端ない、でも聴いてみたい!(暴走しそうなので強制終了)


…ふぅ。


「この方は…宇宙人ですよね」とYANCYさんと談笑しつつ唄ったのは井上陽水さんの「結び言葉」という曲だったそうで。最後にちゃんと曲名を言ってくれてたのに聞き取れなくて、mixiカンニングしてきました(笑)


「最後に今、日本中を騒がせてるこの方の曲をやります」と中田くんが告げた後のお客さんからの「えええええええ」というブーイングは反射的に出てしまったものなんだろうな。だってあまりにも短すぎる!

だけどその最後の一曲が「熱視線」だなんて、憎いことするねぇ(笑)
あの場には他の出演者のファンの方々も大勢いたわけで、その方たちにとったら単に安全地帯のカバー曲だなというだけだろうけど、ね。
そしてまたそれを中田くんが楽しそうに唄うもんだから、嬉し泣きしそうになりました、実は。熱視線がさらに楽しみになりました。やっちんが抜けた穴は本当に大きいし、どうやっても埋められないけれど、中田くんの晴れやかな顔を見ていたらこれからの椿屋四重奏に対しての不安が消えてしまった。やっちんがいた椿屋四重奏は終わり、新しい椿屋四重奏が始まるんだということがストンと理解できた。

あと数時間後には新生椿屋四重奏を目の当たりにします。でも何も怖くない。私は椿屋四重奏が大好きだ。その真ん中で気持ち良さそうに唄う中田くんが大好きなんだ。

やってられない月曜日/柴田よしき

やってられない月曜日 (新潮文庫)

やってられない月曜日 (新潮文庫)

途中までは「寧々は私か!?」ぐらいの勢いで共感していたんですが、まぁ小説ですから徐々にドラマチックな展開になってくるわけで。そうすると私の日常とはかけ離れていくわけで。
とりあえず社内に親友と呼べる人がいるだけで幸せだと思うよ、うん。

音楽ビジネス革命 残響レコードの挑戦/河野章宏

音楽ビジネス革命?残響レコードの挑戦?

音楽ビジネス革命?残響レコードの挑戦?

ふむふむと読了。
内容には関係ないけど、誤字脱字多すぎ…

2010/6/26 LDW Presents FLASH ON THE ROAD@下北沢CLUB QUE

ダイジェストCDの配布が先着順ってことだったので開場時間に会場到着。中に入ったらステージ上には白いマイクスタンドと手拭いが。こりゃもう一番手で間違いないと思いながらも後ろの方で待機。あの辺りがFOXを見るときの定位置となっています。


アンドリューのいないFOX2回目。流石に前回ほど感傷的にはなりませんでした…が、やっぱり「群青バタフライ」とかやられちゃうとね。まだまだ寂しく思ってしまうわけで。


ライブは「二十面相」からスタート。初めに断っておきますが、今回はいつもの3割増くらいのヨダロック偏愛・変態度でお送りします。だってさ、黒シャツ着てたんですよ、あのお兄さん!しかもテロッテロで光が当たると透けるような黒シャツを!インナーもパンツも黒でしかも前髪長めってなったら私が冷静でいられるはずないじゃないですか!(知らねぇよ)
で、そんなヨダロックだけでもオロオロドキドキしてんのにリョウくんはゆるーいパーマかけてイケメンっぷりに拍車がかかってるし、ヒデヲさんは何だかやけに可愛らしい丸っこい髪型になってるし、その3人見てるだけで精一杯ですよ。そりゃ徳永さんが目の周り真っ黒に塗ってるのに気付くのも遅れるわ!怪傑ゾロみたいで、髪型とも合ってて格好良かったです。終盤は暑さに負けて大変なことになってましたけど(苦笑)
…で、ヨシイさんは?
…えーっと…ボーダーのポロシャツ着てました。ギターから完全に手を離して「わーい」ってなってるところなんて、とても年上(=30代)とは思えない可愛らしさです。ま、いいんです。今回最大のヨシイさん的トピックスはライブ終了の瞬間にやってくるんですから!(とか言って大したことだと思われなかったらどうしよう)

あ、あとですね「乱歩is burning!(ジャーン!)」のとこでヒデヲさんが腕を挙げるのが何か好きだなぁと改めて思いました。あそこで逆光になるとこがね、いいんですよね。


2曲目は「東京ロックス」。その後の「海賊のジャック」まではMCらしいMCもなかったような。

「海賊のジャック」でヨダロックがフロア側をグルーッと指さすところがあるんですけど、ふともうQueじゃ狭いよねと思ってしまった。動員とか考えたらそんなことないんだろうけど(あれ、失礼発言?)ヨダロックのアクションはあの狭さにはそぐわない。ステージが高くなっててもう少し広い会場の方がもっとハマるんじゃないかなぁなんて思ってしまった。だからね、行きたいんですよ。チッタに!…平日に川崎…出順次第だよなぁ。


ここでMCがあったような。「ロンサム…その後が読めねぇんだよ。多分ダブだと思うんだけどよぉ」と最前列にいらしたロンサムファンとおぼしき女性に確認するヨダロック。その方が大きくウンウンと頷いてくださっていたので正解だったようです。
…が、このやり取りがこのタイミングだったのかもう少し後だったのか、正解は忘却のかなたに行ってしまいました(つまりは覚えていない)
そのままグダグダ話が続いていきそうなところでリョウくんが平然とイントロを弾き始めて「TAXI DRIVER」へ。


と、ここまで書いて「海賊のジャック」と「TAXI DRIVER」が逆だったかもしれないとか思い始めているんですが、何でここまで記憶力が悪い(というか無い)んでしょうか。「蝙蝠傘」のせいにしていいですか?しますよ。


「蝙蝠傘」の前には多分何も話してなかった…と思います。ヨシイさんの弾いた音が聞き慣れないものだったので「あれ?新曲?」と呑気なことを考えていたら、これは…!もうね、見た目は冷静を装ってますけど、装ってたつもりですけど、内心は物凄く取り乱してましたよ。また!また聴けちゃうの!?いいの!?って。
確かに全身真っ黒のヨダロック、特にあのぺラッぺラの黒シャツを見て蝙蝠傘を連想しなくはなかったけど、でもまさか!嬉しい驚きでした。全身に力が入ってカチコチに緊張しながらじーっと見入るしかないなぁ、この曲は。
間奏のところでシャツを脱ごうとしかけて、結局右肩だけはだけてる状態になってしまったんだけど、それはそれでまた怪しさ…いや、妖しさかな、が増してましたねー。


その後、珍しく告知らしい告知を…と思いきや話が脱線。来月の2マン@Queの告知コメントで「夏だぜサマーだぜ」みたいなノリで書いたら対バン相手の片山さんは「ピンボーカル同士だからメチャクチャ意識してます」というようなコメントだったと。それを見て「これじゃ俺がバカみてぇじゃねえか!俺もすっげー意識してっから!誰か片山くんに会うことがあったら言っておいてくれよ!」と苦笑いしながら話すお兄さんがさっきまで妖しく唄っていた人と同一人物とは思えません(笑)


今回初めて「Midnight sky walker」をライブで聴いたわけですが、いやーいいですねー!ヨダロックとヒデヲさんの掛け合いのところなんかは従来のFOXらしい感じなんだけど、あ、曲自体もそうだなぁ(笑)ものすごく「らしい」けど、何かがちょっと違う。その違いはこれから音源を聴いてライブで何回も見ていくことで徐々に明らかになっていくんだろうな。楽しみ。


その後が「群青バタフライ」だったんだけど、ここの繋ぎがめちゃめちゃ格好良かった!思わず「おお…」と声がでてしまったほど!
確かにアンドリューのいたFOXでの「群青バタフライ」はキラキラと儚げで素敵だったけれど、今の「群青バタフライ」もそれはそれで魅力的だよな、と思えるようになる、気がする。未練がましいけどね、まだやっぱりあの音を求めてしまうのは事実です。


そうそう、この時には完全にシャツを脱いでいたんですが、黒Tシャツから出ている腕の細さ(右肘のサポーターしてる所がポコッと膨らんでるから余計に目立つ)と全体的な薄さが…痩躯好きとしては見ているだけでドキドキしてきますね!(そんなにかよ)メタボなお腹を見た時に背筋を走る戦慄とは対極の位置にあるこの感情!(わかったから黙れよ)


…えーっと、最後は「妄想ガール」で盛り上がって(とは言っても他2バンド目当てのお客が多かったみたいで、いつもよりはずっと静かだったけど)終了。


で、初めの方で書いた「今回最大のヨシイさん的トピックス」ってのがこのタイミングでして。
捌ける間際に「次はHARRIS!」って言ったんですね。あのいつもの眩しすぎる笑顔で。それでそれだけだったら別にそれほど騒ぐことでもないんですけど、その時のお客さんの反応が凄かった。だってね、キャーってね、黄色い歓声ってやつがね、上がったんですよ!ビックリですよ。ヨシイさんが一声喋ったらキャーって!いや、もしかしたら何か別の要素が彼女達に歓声を上げさせたのかもしれないけど、あれはヨシイさんの発声に対するキャーでしょ。いやー気持ちはわからんでもないけど(言い方もとにかく可愛い)ビックリしたなぁ…


…あ、そうか。


ヨシイさんはみんなのアイドルなんだな。じゃー仕方ない!アハハハ(何だその納得の仕方は)